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柏店紳士靴売場のこだわりメニュー、『仮縫い付フルオーダーメード紳士靴』 のご紹介、第六話目です♪

2018.07.16
こんにちは。今回は柏店紳士靴売場のこだわりメニュー『仮縫い付きフルオーダーメード紳士靴』に関するお話、第六話目です。

第一話目から五話目のブログをご覧頂いていない方の為に、今までのお話を要約すると・・・・

①きっかけはお客様の声だった。
②フルオーダーシューズは、現在柏店勤務である紳士靴の元セントラルバイヤーS氏の夢だった。
③アポ形式という今までに無いアイディアをひっさげ、職人さんと交渉するも、全て交渉は玉砕。
④その夢に共感し、無理を承知で協力してくれたのが、昔仕事で一緒したI氏だった。
⑤そうして高島屋の歴史上、初めて売場の定番メニューとして、『仮縫い付きフルオーダーメード紳士靴』が誕生。既にお客様は5人目である。
⑥仮縫い靴はフィッティングが終わったら廃棄してしまう。にもかかわらず、半端なく手間がかかる『すくい縫い』を仮縫い靴に施すという前代未聞のこだわりで、究極のフィッティングを目指している。
⑦こだわりメニューの一例として・・・
 ・トゥ形状含め、デザインは、紳士靴売場にある靴の中から選んで頂いている。
・靴のアッパーで選べる基本メニューの素材は、多岐、多色に亘る。又最高の一足の為、その時々にお勧めの革を特別に入手、供給出来るよう、I氏が独自のルートを開拓している。
⑧オーダーシューズのコストパフォーマンスは極めて高く、手入れ次第で長く履ける。
⑨オーダーシューズは少ないコストで手に入れることが出来る世界最高のアイテムである。
⑩大切な女性のお客様のお声で、婦人靴のオーダーも裏メニューとして開発。但しある条件をご了解頂くことが前提となる。既に1足受注、お納め済みで、履き心地にご満足頂いている。
 
今回は先日お納めが完了しました5人目のお客様(A様)のフルオーダーシューズ、受注からお渡しまでのドキュメンタリーをお伝えさせて頂きます。

A様は本館6階紳士服フロアの大切なお客様です。ご贔屓頂いている某ブランドでお買い物中、靴に関するお話になり、フルオーダーシューズをご紹介させて頂きました。

A様は靴をご購入いただく時、いつも抱えておられる悩みがあるとのこと。それは・・・

①右足で靴で当たる部分が何カ所もある。特に踵部分が痛い。
②サイズは27.0又は27.5㎝なので、選ぶ靴も限定されてしまう。
 
とのことでした。

実は多くのお客様が、同じ悩みを抱えておられるのです。

 革はいいがデザインが・・・とか、デザインも色も気に入っているのに、サイズが合わないといったお声です。
右足、左足の大きさが全く同じというのは、現実的に有り得ませんし、特にスポーツをされていた方は、踏み込み等、長岐に亘り大きな力が足にかかっている為、部分的に左右が大きく異なっているケースが多く見られます。併せて靴メーカーが大きいサイズや小さいサイズは元々作っていない、もしくは作っていても生産量が少なく既に売り切れ、といったことが多いのも事実です。

これらを全て解決、ご満足頂くことが出来るのが、フルオーダーシューズの醍醐味です。しかも『必要性』を解決するだけでなく、こんな靴だったらという『こだわり』を実現することが出来ます。こちらの画像をご覧ください↓

 

共に紳士靴売場にご用意してあるブランドで、左はニューヨーカー、右はサントーニです。
一見すると、かなり違ったイメージの2足ですが、スタイルは共に、『内羽根式のストレートチップ』になります。
全体のフォルムやトゥの長さ、形状、その他ステッチの本数、幅、有無、シューレースの鳩目(紐を通す穴)の数などにより、全く異なったイメージの靴になるのが、良くお分かり頂けるかと思います。

今回お作り頂くA様のお靴のスタイル、実はこの内羽根式ストレートチップに決まりました。

そして、A様の『こだわり』は・・・

①トゥはスクウェアでノーズは長め
②トゥキャップは大きめで
③内羽根部分はすっきりと、余計なステッチはなし
 
そして、実際にイメージに近い靴を、売場でお選びさせて頂きました。それがこちら↓



とてもお洒落なストレートチップになりそうですね♪
イメージというのはなかなか現実の形にするのは難しいものです。紳士靴売場には多種多様なスタイル、デザインの靴がありますので、お客様にどの靴がイメージに近いのかをご覧頂き、その靴の画像を職人さんに見てもらうことで、よりお客様のイメージに近い靴に仕立てられるようにしております。

そうして出来上がった仮縫いの靴がこちら↓
 

 
シューレースの脇にはステッチは一切なく、とても上品なデザインに仕上がりました♪
A様も描いておられたイメージ通りとお感じになられたご様子(嬉)!!

そして仮縫い靴をお履き頂き、修正する箇所をチェックしていきます↓


修正することになった箇所は、やはり悩みを抱えておられた右足部分でした。

いい革で靴を誂えたいとおっしゃっておられたA様、最終的にアッパーの革は、最高級とも称される仏デュプイ社のボックスカーフ、『マローカーフ』に決定しました。

そして、完成したのがこちら↓



エレガントな中にも力強さを感じる、まさにA様にぴったりのお靴に仕上がったのではないでしょうか!!

早速お試し頂き、気になる箇所がないか、ご確認頂きます。問題なしとのお言葉を頂戴しました!

因みにこれが今回作られた木型になります↓



A様が悩んでおられた右足ですが、かなりこれを拝見する限り、今まで履いておられた既製靴がいかにお足に合っていなかったかを推し量ることが出来ますね・・・。かなり踵を大きくする修正が入っているのがお分かり頂けるかと思います。

フィッティングもOKを頂戴し、これで早速お渡し・・・・ではないのです!そう、実は最終の磨き工程が終わっておりません。乳化性クリームでライトポリッシュはしておりますが、A様のこだわりは、『トゥ部分は鏡面仕上げで、ピカッ!!と光らせたい』ですので、当然ご満足頂くべく、ポリッシュ作業をさせて頂きます。

磨きを担当するのは、磨きも大好きな元紳士靴セントラルバイヤーのS氏です。
しかし、S氏はこう答えます。
『実は新品の靴に鏡面磨きを施すのは、とても難しいのです。特に革のアッパーに撥水加工等が施されていなくても、新品の革へのポリッシュはなかなか馴染まず、出したい輝きがなかなかでません。』
女性の方だと特に共感頂けるかもしれません。所謂、化粧のノリが悪いといった感じなのだそうです。鏡面仕上げは施工する度に一旦ポリッシュを落とさせて頂きますので、何度かやればきっちりポリッシュが『ノル』ようになり、心配には及ばないそうです。

再度全体を乳化性クリームにてケアをした後、磨き作業をおこないます↓



トゥは薄く、何度もポリッシュを重ねて磨きます。

ヒールからサイド部分も磨き、靴全体に立体感を出します。磨きが終わりました↓



如何でしょうか?トゥの鏡面仕上げとヒールにかけての光り方が、いい塩梅の立体感を醸し出しているのではないかと思います。

A様、このたびはお誂え頂き、誠にありがとうございました!!


■お問い合わせ先 本館6階紳士靴売場




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