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柏店紳士靴売場のこだわりメニュー、『仮縫い付フルオーダーメード紳士靴』の開発秘話のご紹介、第五話目です♪

2018.06.08
こんにちは。今回は柏店紳士靴売場のこだわりメニュー『仮縫い付きフルオーダーメード紳士靴』に関するお話、第五話目です。

第一話目から四話目のブログをご覧頂いていない方の為に、今までのお話を要約すると・・・・

①きっかけはお客様の声だった。
②フルオーダーシューズは、現在柏店勤務である紳士靴の元セントラルバイヤーS氏の夢だった。
③アポ形式という今までに無いアイディアをひっさげ、職人さんと交渉するも、全て交渉は玉砕。
④その夢に共感し、無理を承知で協力してくれたのが、昔仕事で一緒したI氏だった。
⑤そうして高島屋の歴史上、初めて売場の定番メニューとして、『仮縫い付きフルオーダーメード紳士靴』が誕生。既にお客様は5人目である。
⑥仮縫い靴はフィッティングが終わったら廃棄してしまう。にもかかわらず、半端なく手間がかかる『すくい縫い』を仮縫い靴に施すという前代未聞のこだわりで、究極のフィッティングを目指している。
⑦こだわりメニューの一例として・・・
・トゥ形状含め、デザインは、紳士靴売場にある靴の中から選んで頂いている。
・靴のアッパーで選べる基本メニューの素材は、多岐、多色に亘る。又最高の一足の為、その時々にお勧めの革を特別に入手、供給出来るよう、I氏が独自のルートを開拓している。
⑧オーダーシューズのコストパフォーマンスは極めて高く、手入れ次第で長く履ける。
⑨オーダーシューズは少ないコストで手に入れることが出来る世界最高のアイテムである。

前回の第四話目は、開発秘話というよりも、このメニューのこだわりをお伝えさせて頂いた感じになってしまい、大変失礼いたしました・・・(滝汗)。
今回は元バイヤーS氏も、I氏も想像だにしていなかった、まさに想定外の『隠れメニュー』をご紹介させて頂きます。

第二話目でご紹介させて頂いたこの画像 ↓



これを、ズームア~ウト!



更に、ズームア~ウト!!



お気づきになられましたか?!

 

そうなんです。このサンプル、婦人靴なのです!!!

実はこれが裏メニュー、紳士靴だけでなく婦人靴もオーダーすることが可能なのです。正確には、『ある条件を満たせば、婦人靴も可能』にしたのです。

それはわたくしの大切なある女性のお客様(S様)に、ご主人様にご紹介するオーダーシューズの概要をお話ししていた時のこと。


【S様】『Sさん、婦人靴のオーダーは出来ないのかしら?

【元バイヤーS氏】『えっ・・!!婦人靴でございますか!!??

全く思ってもみなかったお言葉でした。

元々紳士と婦人では、オーダーに対する期待、ニーズが微妙に異なっていると言われております。こだわり、好み、サイズに関してはもちろんですが、婦人はどちらかと言うとファッションコンシャスな面が強く、オーダーに際しては、『いかにその方を素敵に見せることが出来るか』に力点を置く傾向が強いようです。

つまり紳士の『ビスポーク』に対して、婦人は『オートクチュール』という訳です。ですから、製法のこだわりよりも、例え長く履くことが難しいセメンテッド(接着底)であっても、素敵になるのなら全く問題ない、言い換えれば紳士のオーダーシューズの醍醐味である、『こだわりの製法』はあまり意味のないもので、そこにほとんどニーズは存在しない、と勝手に思っておりました。

S様がおっしゃるには、

『靴は好きで色々履いているけれど、どれもどこかしら合わないのよ。フォーマルにも使えるベーシックなものが欲しいのよね~』

とのことでした。

なるほど、確かにご婦人の方でサイズ、フィット感に悩まれていらっしゃる方は多いハズ、特に紳士靴と違ってヒールが高く、その為外反母趾に悩まれている方は間違いなく多い。フォーマル用なら長く履けるので、オーダーする価値が充分あり得ます。

早速I氏に連絡を取り、確認してみました。I氏も全く想定していなかった為、とても驚いていましたが、職人さんに確認したところ、婦人靴も作れるとのこと。但しそれには下記の条件がありました。

①出来る靴のイメージとしては、タニノクリスチーのようなドラッドタイプのモデルになる。
②ベースになる木型を(職人さんが)所有しておらず、ゼロから木型を作成するので、紳士靴よりも価格は割高になる。
③ヒールは革積仕上げの為、強度面の関係でヒール高は5センチまでが限界。
 
そこで①~③をS様にお伝えし、過去職人さんが作った靴の画像をご覧頂いたところ、是非作りたいと仰って頂きました。

実は画像の靴、S様の仮縫いで使用した靴になります。

紳士靴と婦人靴、比べた時の最も大きなフォルムの違いは、土踏まず部分のすっきり感であるように思われます。土踏まずのフィット感に優れるハンドソーンウェルテッド製法の場合、必ず出し縫いで本底を縫い付けなければならない為、どうしてもコバが張ったデザインになってしまいます。だから婦人靴ではフォルムをスリムに見せる為に、セメンテッド製法(接着)だったり、マッケイ製法が多くなってしまうのです。

ところが、出し縫いを手でやるフルハンドメードだと・・・

 

出来ちゃうんです!!すっきりと絞り込みが!!しかも土踏まずがぐっと盛り上がった、素敵なフォルムで!!

違う角度から・・・

 

赤線で囲ったこの土踏まず部分、ほとんどアッパーの革と一体になっています。コバは全く出ていないので、このソールを外側から縫うことなど出来ないと思われるのが普通ですが、実はしっかりと縫っちゃうのです!!
これは所謂『ベベルドウェスト』という仕様で、腕の良い職人さんであれば、紳士のオーダーシューズの世界では当たり前のようになされている職人技なのです♪

そして、仕立て上がったオーダーシューズをS様にお渡しする日が来ました。

完成したお靴をお履き頂いたS様のご感想は・・・

『足裏のどこに体重が掛かっているのか分からない。今まで履いたどの靴とも全く異なるフット感。こんなの初めて!』

と、ご満足頂くことが出来ました! 

ご相談次第で、ご婦人の方でもオーダーさせて頂けるこの裏メニュー、ご興味のある方は、是非ご相談くださいませ♪
尚、こちらのメニューは婦人靴のオーダーであっても、お承り窓口及び採寸、受注は紳士靴売場になります。お間違いなき様、よろしくお願い申し上げます。


さて次回第六話目は、開発秘話ではなく、つい先日お納めが完了しました5足目のフルオーダーシューズ、受注からお渡しまでのドキュメンタリーをお伝えさせて頂きます。

乞うご期待です♪

■お問い合わせ先 本館6階紳士靴売場 

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